【第8回 トラバでボケましょう】 結果発表
遅くなりまして 大変申し訳ございませんでした。
ほんと ひどい 週でした。
気をとりなおして
【第8回 トラバでボケましょう】 結果発表です。
想像力の広がりの可能性を見たくて 設定したお題でしたが
ボケるのはかえって難しかったようで
どちらかというと きれいな作品を 多くお見受けしました。
場面設定のなされたお題では 設定された場面に対してボケればいいのに対して
今回のお題のように いまだなんの事件も始まっていない お題では
即座に質問に答える場合を除き
まず 舞台設定を行い その設定に対してボケるという 二重の段階を経ねばならず
いきおい文も長めになり ボケにくかったのだと思います。
起きてしまった事件を解決するのは簡単だが
いまだ起きていない事件を解決するのは 困難だ ということでしょうか。
同時に ボケるのが困難であったからか
今回は ストレートなボケ というよりも お題をどう扱うか という点で 卓越した作品を散見することができました。
各作品を読み込めば読み込むほど 隠し絵のように 随所に埋め込まれたお題が 浮かび上がってくるのを目にし 言葉のジャングルをゆく探検家のような気持ちになったのも 今回ならではであったような 気がします。
文章力、読ませる作品 という点については どの作品も 秀劣つけがたく
今回は 私の独断と偏見により お題の取り扱いの 意外さ スマートさに重点を置き 選考いたしました。
チャンピンは
実存としての青 by クジハン ironさん
おめでとうございます。
理由は・・・・うまく言えません。 とにかく おもしろかった。
お題なんかそっちのけでしゃべりちらす テンポも リズムも くだらなさも 好きです。
最後まで 迷った もうお二方も 準チャンピオンとして発表します。
イケドリ物語 by SOFIA_ SS そふぃさん
侍魂。 by僕は君の太陽だ! 萌さん
いずれも 禅問答のようなお題に 惑わされず むしろそれを 手のひらにのせて 軽々と料理してみせる 身軽さが トラバボケに ふさわしいと判断しました。
そして もう一方 私が勝手に設定した 特別賞を 贈らせていただきます。
特別参加賞
今日も天気がいい aquiさん 推薦
iceさん
空はなぜ青いか この答えは aquiさんの空の下 ゆっくり 考えたいと思います。
十人十色の それぞれの空が ここに きっとみつかるはず。
以下 稚拙ながら感想文を 付記させていただきます。
皆様 ご参加ありがとうございました。
次回 【第9回 トラバでボケましょう】は
クジハン で 開催されます。
ironさん よろしく お願いします。
「異邦人」異聞 by ぢぇみに のBlog [Second Stage]
タイトルから おちがわかると 著者も言っておられますが にもかかわらず
やっぱり 感 がないのは お題の 取り扱いの上手さからでしょうか。
空の青さに 照り付ける黄色い太陽
お題を事件の始まりとしてとらえると同時に おちを生み出すひとつの舞台として機能させた手法が スマート。
『Because The Sky Is……』 by 上清水一三六のがき~んどよよん。
空が青いのは 僕たちが涙を流すため・・・
お題に 真っ向から答えてくださいました。
前半の荒唐無稽なアナグラムと 後半の切ない語りの 対比がいい。
しかも 見上げた空には 泣けない男の孤独を 映すかのような真っ赤な夕日。
最後で ぐっと締まりました。
「世界名作劇場 銃ずきんちゃん(改題 赤ずきんちゃん)」 by 毎日が送りバント
どうして つながりで 盛り上がってゆく有名な一場面の腰を
お題でもって がっくと折るあたり見事です。
空が青いのはなぜ という メルヘンな問いかけに 赤い血に象徴されるブラックな事件を 答えとしてもってくるラストも クール。
おつかい by B級ブログ
都会からの転地療養と思いきや 違う惑星からの移民。
真っ赤な三つ目と3本の手を持った親子 一見おぞましいように思える彼らの外観が かえって 空がなぜ青いのか という無垢な質問を 黒い目と二本の腕をもった親子の会話以上にほのぼのと 浮かび上がらせる。
青い空の直接的な描写が一箇所もないにもかかわらず 美しい青空と赤い目の対比が まぶたに浮かぶ。
色の砦 by 短期記憶 Aside
空が青いのはなぜ・・・青く見えるようにつくってあるから
一見ありがちな予想される答えを 近未来の人造人間(?)に語らせることにより 意表をつく 流れを生み出している。
兄と弟の淡々とした会話 色を見ることのできた数少ない生き残りの「ナチュラル」たちの闘争 ぼろぼろのポスター
もうどこにもないがゆえに どんな青よりも美しい青を纏った空を 読者は郷愁のうちに見出す。
物語り全体が 物語のよって立つモチーフを裏切り 真の答えを提出する からくり箱となっている。
世界がまぶしい by 今宵 すべての居酒屋で
身を張ってぼけてくださいました。
飲みすぎた翌日の 普段ならありえない時間帯 知らない場所 とぎれた記憶
妙に世界がまぶしく見える日の 突き抜けたような心で 呆然と見上げる空
「今日も空があおいのはなぜ 」
お題がもっとも生きる舞台を さらっと提示できるあたり 経験も一度や2度ではありませんね。
鮮やかな青を感じて今日あなたが見上げる空には何が見えますか? byカツオくんは永遠の小学生に挑戦!
近未来都市での空の覇権争いを巧みに描き、空が青い理由をさらっと語る。空一面遊泳する鯖たちの世界にいとも簡単に読者を引き込んでおきながら、「え?おいそれ青じゃなくて・・」とつっこむ。このとき突っ込まれたのは他でもない、筆者の語り口にまんまと引き込まれ納得させられていた読者である。さらに駄目押しのように
魚へんにブルぅ~ぅぅぅぅ!
正義の味方の変身のようなこの掛け声に、脱力。 これが いい。
燃える空こそ by[ ageHa ]
コバルト小説のような青春愛を いきなり太陽と海の愛にまで広げた スケールの飛躍が この作品を見事なぼけにしてる。 青臭い愛のささやきが 空の青に置き換わる瞬間に 立ち会える幸せ。
「今日も 空が 青いのは なぜ?」 by MS.POKERFACE
トラバボケをすでに凌駕しています。美しく切なく続くひらがなの波 感情を抑えた淡々とした文が 祈りを際立たせています。 トラボケでなく ゆっくり出会いたい作品です。 というか トラボケの中だけで終わらせるのは もったいない!!
「幸せの色。」 by Mein Tagebuch
この作品もまたひとつの物語として完結しています。空の青から太陽ではなく月を連想する意外性 結論を空の青ではなく 月の幸せ色にもってくるあたり見事としか言いようがありません。さらに雲のもくもくにもぴったりと(これこそがもっとも一般的に考えられるお似合いなのですが)無邪気に子供に言わせるエピローグで 意外性につきまとう違和感をきちんと落とした安定した読後感といい 童話としても完成されています。
青い空 by はにぶろぐ
ありがとうございます。 ボケ感の希薄な作品の多い中、出題ミスかと自分を責めておりました。まっすぐにボケてくださいました。
しかも単純なボケではありません。「本当、今日も青いわねぇ。どうしてかしら。」意味不明なせりふの謎解きとお題に対するボケとをひとつの商品でやってのける切れのよさ。しかも 登場は あり です。 素直ににやり。
空が青いのはきっと。 by でんどういり!
空が青いのは そこに空があるから。まるで禅問答。にもかかわらず丘を越え歩き続ける「私」の力強さが禅問答に説得力をもたせている。さらにポケモン主題歌へのオマージュとすることで、未開の沼池 神社の祠 すべてが冒険であったころに見上げた 空の青さを 「私」の汗とオーバーラップさせ 作品に広がりをもたせている。
あなたとわたしの青い空。 by 近海マグロに焼きをいれる
aquiさんはそんなこと言ってません。(言っているのは猿のような気がします。) 直接は言っていないけど、でも やっぱり aquiさんの空は そう 言っているような気がします。随所随所に笑いを取りながら 同時に 読者の心の底に小石を投げながら 終息にむかって突き進んでいくiceさんの文はいつもながらため息がでるほど鮮やかです。
あなたの空 by bra net
普段から言葉を扱いなれているbraさんならではの 美しいあいうえお文。 「恥ずかしがらずに こう答えよう」と いうように 恥ずかしくなるほどの台詞も braさんの手にかかると 心に直接響く。
青、もしくは青。 by くまった。
「まだまだ青いな、と空が笑った。」 本文外で・・・見事に成功しています。この一文はここにしか置けない そんな抜群の場所に さくっと置いています。テンプレートをも 構成に使うという新しい、ブログならではの手法。これから流行るかもしれません。
青は藍よりい出て、藍より青し… by ダーサの遊園地「心の理屈」別館
辛口 がご希望とのこと。では・・・・前半の文も後半の文もそれだけではお題へのボケにも回答にもなっていません。 なのに・・・・・やられました。 自身のキャラをぼけに使うとは。今回もやってくれるはずという読者の期待を逆手にとり、その期待そのものをボケねたに使うという手法 うまくしてやられたあ と悔しい気持ちでいっぱいです。
僕の名は猛 by ボリンゲンの塔。
題名がうまい。 もうお題などそっちのけです。 真っ向からお題に取り組んでくださった真面目な作品が多い中で このないがしろっぷりは それだけでひとつのボケを為しています。それにしてもどうして私の裏家業をご存知なのかそちらのほうも気になります。ちなみに 猛は 術後経過順調です。 近々外来日かな?
メガネ青年の勘違い by ブログ試用記
つかみから落ちまで 独白のようにおしゃべりしながら 飽きさせない。 うまいです。 本題ともいうべきネタは取ってつけたようにさらっと流したところは、ボケトラバそのものをねたにした独り漫才のようです。
侍魂。 by僕は君の太陽だ!
ひからびました だけでも 笑えたのに! 追い討ちをかけるように頭文字!次の笑いまでのタイムラグをも計算にいれているなんて。
「空が青いのはなぜ」→「侍魂」のギャップ、青空とモグラの対比、「大フィーバー」から「ひからびました」のギャップ、ほんのちょっとした違和感が生み出す脱力した笑いが これだけの短文の中に凝縮されています。しかも ちょっとの間をおいて タネばらし、頭文字での統一性を持たすことにより 今までのギャップを見事に編み上げています。さらに「侍」からフラッシュでの「切腹」まで、すきがありません。
第8回 ボケトラバ 出場 by ぶちまけ部屋
赤いブリーフ ここまでくると お題など ブリーフの赤さを強調するための 引き立て役でしかありません。こういうお題の使い方が好きです。しかも赤いブリーフは猪木じゃない・・3回読むまで気づきませんでした。もーふさんが別れを決意したのは赤いブリーフのせいなのでしょうか、それともこの勘違いのせいなのでしょうか。
フォークシンガーにムカついてみる by 鼻ぴすぴす放談(仮)
「意味がわかんねぇしその話し方がムカつく」落ちはここですね。ライブでのMCのくだらなさてほんとこんな感じですよねえ。語尾上がりで舌足らずで意味不明だし自己満足っていうか。これって同時に「空が何で青いか」などという甘い甘い問いの本質を突いているような気がします。アザラシがハーモニカ吹いてソラソラ・・何が言いたいんじゃあ!って空に向かって叫びたい気分ですw。
イケドリ物語 by SOFIA_ SS
ハイ、消えた このクールさが好き。 そふぃさんを思わせます。 昔話にありがちな 何でだか分からない必然を さらさらと謎解く 妙に説得力のある文も そふぃさんならでは。
しかも いけどり。 ここだけ クールじゃなくて 迫りくる熱意が 怖い。 大人の女の魅力たっぷりです。
青い空 by CITV - Caught in the voice - exblog ver.
PC上ならではのぼけですね。ボケにいたるまでの振りは きれいな文なのにどこか変で 屋根の上でシャボン玉を吹くピエロを どこか 思わせます。 空はいつだって青いんだ という 子供じみた断定が メルヘンな落ちを連想させるのに それを裏切り ブルーバック。 べたすぎるこの落ちで ここまで 笑わせるのはすごい。
【今日も空が】by やみくもバナナメロン
子供が生まれたら この作品 いただきます。 ややこしいことを考えなければ 個人的に一番好き。 前半の疾走 はじけ飛ぶ「僕」 空いっぱいに広がる「僕」・・・ 間の取り方、改行のうまさと相まって リズム感で一気に読ませる作品。「僕」に見守られていると思うと 空を見上げる想いもまた 優しくなれそうです。
実存としての青 by クジハン
青についてのお題なのに 赤について永遠語って許されるのは あなただからです ironさん。この語り口 最高です。なんだかよく分からないままに 笑えます。でもよくよく読んでみたらば 青くて暑い空でネタ振りして アツイに終息してるし。 ナンセンスのオンパレードなのに妙に説得力あるし。
青い春 by はい こちらサポセン。
前半で大笑いしたのが気まずくなるほどの 静けさの中で お題にまっすぐに答えてくださいました。それにしても何で自殺しちゃったんでしょう。9階から飛び降りても大丈夫かどうか試したかったから?何でなんだ 行き場のない問いだけがぐるぐるまわる 灰色の空、 いつまた日が照りますように。
ブルース by 犬のいる暮らし、プライスレス。
神様も経験が浅い とか 初仕事 みたいなのあるんですねえ。 ともすれば 壮大すぎて説教じみてしまうようなテーマですが 一生懸命初仕事をこなしている姿がかわいくて 神様、いきなり身近です。 青い地球の荘厳さと 人間くさい神様の対比が いいです。
カエルしか知らない by 万人ニ旨イモノナシ
前世がかえるのabsinthとしては はじめの4行でしびれました。 人間は大海は知っているけど 空が青いわけは知らないんですね。 かえるだったころに戻りたくなりました。 声を失った人魚姫の気分です。
大切な仲間 by 徒然ならぬ人生
空が青いのは へなちょこ だから。 nandeさん同様 身を捨ててぼけてくださいました。 ありがとう。空の青って聞いて 青ざめる を思い浮かべる方ってあまりいないと 思うんですけど・・。しかも スロットですか、空なのに。 壮大さも すがすがしさも 微塵もありませんね。 そういう 裏切りが いい。
昨日は 空が 青かった by 老婦人の夏
当たり前のように地球でのおろかな戦争を思い浮かべて読み進めていたのに 実はいきなり火星。 しかも 青空の 火星。 青空のもっていきかたとしては 最高です。
皆様 本当にありがとう ございました。
こんなに 楽しいと おもいませんでした。 やみつき そう ・・・
absinth