あばらがリサイクルショップで714円で積み木を買ってきた。
木琴やピアノのあまり木で作られているのかしら?河合楽器から出されているもの。
使い古されてなおつやつやとした木肌、すべらかな肌触り。
積み木というのはどうしてどうしてなかなか奥が深いのだ。
最終的にひとつの木箱に平らに納まるようにできているから、その辺の長さは倍倍に作られていて、ちょっと短いちょっと長いの調節はきかない。
でも我々の想像力というのはフリーハンドでできているから、ちょっと短いちょっと長いの調節がとっても重要だったりするのだ。
倍倍で作られている四角四面の積み重ねでは、にっちもさっちも行き詰る想像力の乏しさよ。
三角形の高さは√2/2だから斜めにおいた高さは四角いブロックより少しだけ低くなる。
この√2がどうにもくせもので、四角四面倍倍の世界に持ち込まれたほんの少しのゆがみが全体のバランスを大きく崩す。
-何作ってるの?
-our house。
途中まではビール片手にニコニコと見ていたあばらも、積み上げたそれがちょっとしたバランスで崩れるたびにいじれる私に笑いながら声をかける。
-あのさ、箱を見てごらん、これって2歳から与えられる最初のおもちゃなんだよ。
子供はね、しばしば作ったものをずっとkeepしようと意地になる。
そのときに積み木を通じて彼らが学んでいくのは、形あるものは必ず壊れるのだということ、仮に成し遂げられないままに失ったとしても決して必要以上に嘆いたり腹を立ててはいけないということ、ものは壊れるからこそ次の創造があるのだということ、なんだよ。
-でもあなた、子供じみた執着が、芸術と人類の進歩をもたらしたこともまた、忘れるべきではないわ。
-ふうん、ゲイジュツねぇ・・・・