夏だというのに相も変らぬ緊急手術の日々、その合間に、ある日突然同居人ができて、それじゃあということで新しい家を探したり、引越しに向けて動き出したり、その合間に、キスしたり微笑みあったり共寝をしたり、いや、その逆かもしれない、キスしたり微笑みあったり共寝をしたりする合間に、緊急手術をしたり家を探したりして、気がついたら稲穂が熟れはじめていた。
何かに向ってぐいぐいと動いていく時というのは、体の芯が潜水艦のエンジン室のように冴え冴えと燃えているようでいてその一方で、まるで世の中全体が夢の中の出来事のように視界全体に靄がかかり、自分自身と自身を押し流す大きなうねりにどっぷりとつかり、それを言語化するいかなる距離も冷静さも失い、むりやりひねり出す言葉はどれもまるで断片化された唄のよう、お陰でまるきり更新ができずにいた。
自身の感情も自身を取り巻く状況も、全てが変化に向って動き出しているその中で、もみくちゃにされながらもどこか独り、何かを失うまい、見失うまいとがんとして突っ張っているような遠い孤独、しかしそれもついには大きな奔流に押し流され、振り返ってみれば強い力にただただ押し流されただけのようなだらしない軌跡が、もうすっかり高くなりつつある空に浮かんでいるばかり。
瞬間瞬間は別にして振り返りという作業を通じてみれば、この間のリアルといえば押し当てられた唇の熱さであったり覗き込んだ目の色の深さであったりわけもわからず流される涙の息苦しさ、ただただ零れる笑みといった記憶の断片でしかなく、断片の積み重ね、といった目で見ればこれほど長かった夏はなく、一方でこれほど早く過ぎた夏もまたなかったように思う。
折しも引越しの始まりは秋の始まりに重なり、今年の冬の準備は巣作りの準備となる。緊急手術で泊まりになるたびにがっくりと肩を落とす“
あばら”に、そんなことじゃあこの先が思いやられる、凍れる冬が来たらば(泊まりの頻度は)こんなものじゃあないんだと笑うあたしに、冬を迎える恐怖はない。
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