この春ほどキャベツが待ちどおしかったことはありません。
ああ、キャベツ。
母さんの尻のように、どっしりむっちりしっとりとしたキャベツ。
地球のようにつややかに輝き、きゅいんきゅいんと音をたてて葉をめくれば、葉の間から朝露がこぼれる。
蒸したキャベツ、炒めたキャベツ、生のキャベツ、煮たキャベツ。
千切りのキャベツ、ちぎったキャベツ、一枚まるごとキャベツ。
じつはこの冬、私はキャベツを一度も口にしませんでした。
あ、いえ、もしかしたら買ったコンビニ弁当のハンバーグの下にぐじゃぐじゃになった千切りがひかれていたかもしれませんが、あんなものはキャベツとはいえません。
キャベツというのは、ぱりっとしていて、ほっくりしていて、とろっとしていて、甘くて青くて白い味なのです。
出て行ったが最後次いつ帰れるかだってわからないものだから、保存のきく根菜と乾物ばっかりしょぼしょぼ食べ続けたこの冬。
店頭に春野菜が並ぶようになってから、キャベツが食べたい熱はますます増し、それをもう少しもうすこしと、なだめなだめてとうとう4月。
緊急手術が減るにはもう少し暖かくなるのを待たなくちゃあいけませんけど、まだまだ学生さん臭い新人研修医の先生がぱりっとした白衣をなびかせて病棟を小走りでかけていくさまなどは、もうすっかり春のもの。
毎日が新しいことばっかりで楽しくてしかたないです、なんて言われてあからさまに嬉しそうな顔なんざしませんけど、そろそろキャベツ解禁でもいいじゃないとふっくら思ったのでした。

【キャベツのオイスターソース炒め】
お出しするのが恥ずかしいくらいシンプルですけど、キャベツを入手してすぐ食べたかった気持ちがわかるでしょう?
【キャベツの塩もみ酢】
塩でもんで酢をどぼどぼかけただけ。キャベツには酢がよく似合う。
【しめ鯖の塩焼き】
しめ鯖を作ってみました。そのままの塩焼きとはまた違った旨みがありますね。
【湯豆腐のお吸い物】
昆布を上手に使えるようになってきて、お吸い物作りが好きになってきました。
んで翌日。

【キャベツとベーコンの蒸らし炒め】
【チキンソテー】
【豆腐とカッテージチーズのサラダ】
昨日の豆腐、どうやってワインと?と考えた末。
豆腐とリコッタチーズが似合うというのは栗原はるみさんの本にのっていました。栗原さんの本ではゴマと鰹節と甘辛のタレで和えていましたが、ここではドレッシングをイタリアン風にしてゴマをアニスシードにしてみました。
さて、春。