近頃は(といっても私は「近頃」以前の状態を知識としてしか知らないのですが)、輸送手段の発達により食材の旬が長くなりました。温室育ちのものも入れれば旬は無くなったともいえるのかもしれませんが、それでも一番おいしい時を安くたくさん、と思えばまだ旬は健在といえましょう。
単独の食材の収穫の旬に加え、食材と食材の組合せの旬にまで贅沢を言うならば、ある料理の旬はますます短く、日常を使い捨てるように生き急いでいる私にあっては、その奇跡のような時間はほんの一瞬ともいえます。
まさに旬は瞬であり、駿であるのでしょう。
時折吹く強い風は春を匂わせ、土にへばりつくようにして年を越したなずなのロゼットが心なしか身を起こしつつあるように見えるこの頃ですが、それでも夜に降り始めた雨は朝方うっすらと白いベールとなって畑を覆い、それがちょっとした木陰であれば昼頃まで解けもせずにおる紀元節。
ダウンジャケットのボタンを首元まで閉めておーさぶさぶと駆け込んだスーパーでは、南から届く春野菜が今を旬とばかりに目に鮮やかです。
足早に過ぎ行く冬と待ちに待たれる春とがすれ違いざま、ふっと互いに振り返ったようなそんな出会いの奇跡。
【焼いたかぶとスナックエンドウと白身魚の和えもの】
奇跡の出会いを取り結ぶのは、眠りから覚めた葡萄の雫。あるいはローズマリーの漬け込まれたオリーブオイル。
レモンをかけてさっぱりと。あるいはカレースパイスを混ぜたケチャップのアクセントも楽しい。
魚は・・・なんでしたっけ?忘れちゃいました。
【レンコンと春菊と鳥ささみのスープ】
煮込んだレンコンからこんなにいいだしが出るとは思いませんでした。塩と胡椒、一たれのヌクマムで。