老人保健施設に入所しているばあちゃん。
そこにもそれなりの人間模様や見栄なんてのも当然あるわけで。
誰それの娘さんがよくできた人だとか
息子さんはどこに勤めてるだとか
きっとそういうことで
力関係が変わったり 傷ついたり 情けない思いをしたり
そんなことも あるんだろう。
あたしはいつも 仕事の合間を縫ってどたばたと面会に行くのだから
もともと自慢できるような美人じゃないうえに
ジーパンにサンダル ぐしゃぐしゃの頭 ノーメイク
どう見たって 見せて歩きたい娘さんじゃない。
ばあちゃんはそれが切ないらしく
「あんたは本当は美人なんだから」 って繰り返す。
あたしはそれが 馬鹿馬鹿しくて
わざと 当直明けのぐしゃぐしゃのまま 会いに行く。
でも 昨日は
秋晴れの空があんまりきれいで
町を見下ろす山々があんまり燃えるようで
だから
死んだ母さんのたんすをごそごそと漁って
昔母さんが着ていた着物を 引っ張りだしてみた。
着方なんぞ分らないから
あったかそうなウールを選んで
お太鼓の結び方だって知らないから
適当に蝶々に結んで
母さんの足袋じゃ小さすぎて あたしの右足は入らなくて
左右別々の足袋を それぞれ履いて
意気揚々と 出かけていった。
施設の入り口で ばったり出会った施設長さんに大笑いされて
(なんで笑われたのかしら?)
口をあんぐりあけて振り返る車椅子のおじいさんを通り越して
「よ 来たよ」
ばあちゃんは喜びましたかって?
冗談じゃない。
「それじゃあんまり地味すぎて せっかくの若さが台無しじゃない。
赤いのでも 桃色のでも もっと他にあったでしょうに。
あんたは本当は美人なんだから。」
・・・・・孫の気も知らぬくそばばめ。
なんてばあちゃんにこじつけてるけど
sio-mamaさんのところでこれを見て以来 やってみたかっただけですかね^^
こういう風に着こなせるようになりたいなあ・・・