6ヶ月と1週目、つかまり立ちを覚えたぴぃな。
できるだけじっくりとハイハイさせた方が下半身が鍛えられていいって聞いていたから、狭い家ながらがんばってハイハイスペースを作っている最中、ひょいっと振り向いたら、30cmほどの座卓にほとんど乗りかからんばかりになって、机の上の私のマウスを得意満面で舐め倒していた。
偶然かと思いきや、一度覚えたら決して後戻りはしないのが子供の発達、一日中「立ってー手を放してー振り向いてー転んでーまた立って・・・」を繰り返している。
親としてはハイハイやお座りといった段階を踏んで・・と思うから、掴まれる座卓やら棚やらから引き離しておきたいのだけど、もうそれこそ「立っていなければ世界が崩解しちゃうんです」といった真剣さで、これまで大好きだったジャンパーや寝たまま遊べるメリーも全て拒否。ただひたすらに座卓に向かっている。
発達ばかりはその子のペース、周りが針を進めることは出来ないし遅らせることも出来ない、というのは、こういうことを言うのだなあ、と思う。
寝返りが出来ない頃には一日中見上げている天井に苛立っているのがかわいそうで、早く寝返りが出来ればいいのにと思っていた。
寝返ったあと戻れずに泣いて助けを呼んでいた頃は、早く寝返り返りが出来ればいいのにと思っていた。
ずり這いが出来るようになっても、お座りが出来るようになっても、欲しいおもちゃはいつも手の届くその少し先にあって、ぴぃなはいつも苛立っている。
「やりたいこと」は「できること」をいつだって少しだけ上回っているのだ。
つかまり立ちを覚えた今、机の上のおもちゃに手を伸ばすとなぜか転んでしまう自分に、ぴぃなの苛立ちは最高潮に達している。苛立ちながら、泣きながら、一日中座卓に向かっている。
この苛立ちはいつになったら収まるのかしら?一人で立てるようになったら?歩けるようになったら?走れるようになったら?
いやいや、考えてみれば私にだって「やりたい、でもできない」はあるじゃない。苛立たないのは大人になって「やりたい」をよしよしとなだめる術を覚えただけのこと。「できない」を「できない」としていつしか受け入れてしまっただけのこと。
だとしたら親として、してやるべきことは「できない」を手助けしてやることじゃなく、「やりたい」をなだめる術を覚える時期をできるだけ遅くしてやることなのだろう・・・どうしたらそうできるのかはこれからの課題だけど。