というわけで 悪の組織笑ッカーに 改造されてしまった
しんぞうのおんな もとい 酒造のおんな(錦)。
今日は 私のまわりにつきまとう 彼ら の話をしよう。
一等はじめの彼がやってきたのは 秋も遅いとある夜のこと。
そう その夜は 湯豆腐だった。
私は 湯豆腐が好きだ。 とても 好きだ。
たっぷりの鰹節にたっぷりの白葱 豆腐は絹ごし だしは昆布
しゅうしゅうあがる湯気
鍋のはじで 辛口の日本酒など燗につければ 言うことない。
ほろほろ あちちち
ぐび ・・・・・くぅぅぅ
ほろほろ あちちち
ぐび ・・・・・くぅぅぅ
と そのときのことだ。
ほどよい湯気をあげる鍋のなかに 何かがいる。
背の丈は3cmほど でっぷりと太った腹を出し なんと手ぬぐいを頭に乗せ 湯豆腐の中で湯浴みをしているのだ。
眉をひそめ顔を近づけた私に そいつは よっ と片手をあげた。
「なかなかの湯加減だよ 少々熱いがね」
「いや 熱いでしょう それ 沸騰してますし」
私の心配をよそにそいつは よいしょっ とまぬけな声をだし
ぷかぷか浮かぶ豆腐の上によじ登ると ちょこんと胡座をかいた。
「ところで ほれ あれが足りんじゃないのかね。 ほれ あんたのその前にある それ。」
「これ?」
もうほとんど空になっている徳利を 持ち上げてみせると そいつは
何を今更と言わんばかりの顔付きで 手を出す。
仕方なく 燗をつけなおし 酒瓶のキャップにあつあつのところを注いでやったんだ。
それだって 奴には大きすぎるほどだったけどね。
始めはいぶかしがっていた私だったけれど
そいつの飲みっぷりを見るうちに なんだか細かいことはどうでもいいような気がしてきた。
どうせひとりぼっちの秋の夜長
この酒の旨さが分かる奴が居てくれるだけ ありがたいではないか。
酒の味が分かる奴に悪い奴はいないって言うしね。
それからそいつは なぜか しょっちゅう私の晩酌に付き合うようになった。
鮭の白子 舞茸 白葱 さっと湯がいて 柚子醤油
じゅうじゅう秋刀魚 ほくほく厚揚げ ぴりりと辛子大根
かぶのそぼろ煮 なすの味噌和え しめじの煮びたし
別に何を語るでもないが
旨い酒を呑み 旨いつまみを食い 酔っ払うと 6畳一間の床と机で雑魚寝をした。
そんな風に ふたりっきりの酒宴が続いたある日
そいつが もじもじしながら切り出したんだ。
「あのさ ここのことさ みんなにばれちったんだよねー」
「みんなって誰さ。 熱燗尊主。(そうそうやつの名前はこんな偉そうな名前だった)」
「ん・・・ちょっとね。 でさ 物は相談。」
「なに。」
「みんなも連れてきて いいかな。」
・・・・・はぁ 大仰に私はため息をついた。
だって いいも何もないだろう?
白菜がことこと揺れる鍋の後ろに わいわい出番を待ってるやつらの 着物の裾が見え隠れしてるんだから。
「いいのかい?」
にやり と笑った熱燗尊主 ぱちり と手をたたいた。
「うっほほーい!」
来るわ来るわ 鍋の後ろから 七福神のダミーみたいなこまいやつらが 次から次へと飛び出してきた。
私の部屋は はちきれんばかりの喚声と 打ち鳴らされる鐘の音 三味線 狂ったように吹き鳴らされる笛の音に 包まれた。
やぁれ そぉれ そぉれとなぁ
ひめみこさぁまの ごこぉりん
さぁさ うたえや うたえや おどれ
めでた めでたや そぉれ それ
それからというもの やつらは私の家に入り浸るようになってしまった。
おかげで 家は毎晩 飲めや歌えの大宴会が続いている。
いや それだけじゃない。
中には コートのポケットに入って 職場まで付いて来る奴まで居る始末だ。
ほら こうやってPCに向かっている今だって
羽衣をまとった小さな姫が マウスの上で呑気に三味線を鳴らしているんだ。
こんなこと 誰にも言えやしないけど ね。
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