これも時代の流れかもしれないが
医局(病院にある医師の控え室、休憩室みたいなところ)に人がいないと 教授が寂しがっている。
昔は 仕事が終わると 医局にたむろして
酒を呑んだり 酒を呑んだり 酒を呑んだり していたもの。
10時 11時ともなると 研修医も 上級医師も 教授も 医局に集まってきて
先輩の人生薀蓄に付き合わされたり 医療の未来について熱く語っちゃったり
治療方針について討論したり どこの病棟のどのナースが美人だとか そんな話もしたり
そうやって だらだらと 夜を過ごしていた。
そうこうしている内に 急患が来た! なんていって
みんなでどやどやと 救急外来に押しかけて
普段は見れない 教授の早業処置なんかを 見れたりして
病院にいればいるだけ なんかどうかの 事件に出くわせて
それは即 自分の技量アップに繋がっていたし
事件がなくても 先輩の語る馬鹿話も薀蓄も説教も どれも素敵で
医局は いつだって 知恵と笑いに満ちていた。
仕事が終われば あとはプライベート というのは大切なことだし
そうやって割り切って仕事できるようになったのは 歓迎すべきことだと思う。
でもその一方で なんだか寂しいよなあ っていうのは お年寄りたちの確かな感想なようで
「みんなが来たくなる 医局作り 大作戦」 が決行されることになった。
その第1弾:ソファーの買い替え
一度座ったら 二度と立ち上がれなくなるようなソファー。
各自の家の布団より数段気持ちのよいソファー。
これさえあれば みんな家に帰ろうなんて 思わないはず!
ソファー選びは そこで一番長く過ごしている奴ということで 私に 一任された。
「この際 金のことは気にするな どかーんといい奴を 買ってこいよ」 という太っ腹の教授。
ソファー選びは 新しい男探し みたいなものだ。
しかも 自分の金ではないときてる。
普段入ることすらはばかられる 高級家具店に行き
ドラマに出てくるような ソファーに 次々と 座り 寝転び 皮に顔をすりすりさせ
私に 一番 しっくりくる 男を選んだ。
体全体を包み込む 度量の深さ
すべすべ ひんやりした もち肌
腕も足も 絡み付かせたくなるような 背もたれ
優しい膝枕を思わせる 肘掛 (←寝ること前提)
悲しみも疲れも受け止める (それでて汚れの目立たない) 深いブルーの皮
ICUのソファーが風呂上りの男の体 なら
こちらは そこに高級感をプラスした セレブな男の風呂上り だ。
クラッシックを聞きながら バラの香りの湯に浸かって ワインを飲み
シルクのバスローブを羽織っているような 男。
これで みんなももっと医局に集まろう って?
冗談じゃない。
私だけの 男で いてくれていいのよ♡ うふん。