新春!男女対抗TBボケ駅伝 第7区走ります!
ところどころに というよりあからさまに 第1区走者から第6区走者までのキーワードが入っているのは
なかなか記事を投稿できずにいた名残です。
探してみてくださいね。
くりすぷさん
きぼうっより バトン頂き!
【お題】
「3日間並んでゲットした福袋に入っていた驚くべき目玉商品とは?!」
「おい 鬼太郎」
「いや 鬼太郎じゃありませんから 僕」
「なんだっていいだろう。 じゃなにかい?
わざわざ名乗るほどの大そうな名前をお持ちだってのかい? 兄さんよ」
甲高い親父の声に 僕はタメ息をついた。
白い息が闇にとける。
なんだってこんな時に 目玉親父の相手をせにゃならんのだ。
並び始めて3日目、僕の疲れもピークに達していた。
ひとりで三日も並ぶのかい?
そう言って僕の目を覗き込んだ 好奇心たっぷりの丸い瞳を
思わずつまみあげて コートのポケットに押し込んだ3日前の自分に
僕は もう100回ぐらい 心の中で悪態をついていた。
「おい 鬼太郎 見ろよ。」
しゃべり続ける親父の甲高い声が ひときわ高くなり
無視し続けるわけにもいかなくなった僕は 親父の指差す方を見た。
「おい あれ お前の好きなミヨちゃんじゃないのかい。
ほほう こりゃ 新年早々運のいいこった。」
親父の言うとおり
白いコートにピンク色のマフラーを巻き白い息を指に吐きかけながら
こちらに向かってまっすぐ歩いてくるのは同じクラスのミヨちゃんだった。
僕は思わず顔を隠した。
福袋を買い求める長蛇の列の一員であることが無性に恥ずかしくなったんだ。
「なに 隠れてんだよ。鬼太郎。ミヨちゃんだってば」
「分かってるよ。うるさい。だまってくれよ」
「わかってるなら なんで そっち向くのさ。 おーい ミヨちゃん こっちこっち。」
「うわっ しぃーっ。 わかった わかった。 挨拶するからさ だまってくれよ 親父。」
ミヨちゃんは僕を見つけると 丸い瞳をさらにまん丸にして 近づいてきた。
「わあ 偶然ね。 どうしたの。」
「あ ども。」
「ども じゃないだろう。 何照れてんだよ ばか。」
「うるさいなあ 黙ってくれよ。」
「あ もしかして 福袋?」
ミヨちゃんが 首をかしげて列を見やる。
僕は恥ずかしさで 首まで赤くなる。
「じゃあ いっしょね。 よかった。 知ってる人がいて。」
「え じゃあ ミヨちゃんも?」
「うん この人お母さん。」
僕の後ろに並んでいたいた品のいいおばさんが ミヨちゃんのお母さんだった。
「うっひょー ついてんじゃねーかよ。 鬼太郎。ほれあいさつ あいさつ。うひょひょ。」
「う うるさい。ばか だまれ。」
顔を出してミヨちゃんとおばさんを覗き見ようとする親父を あわててポケットに押し込みながら
僕はうすら笑いを浮かべて おばさんに会釈をする。
「お母さん あとは私が並ぶから。 替わろ。 大丈夫よ 一人じゃないし。」
おばさんの背中を押しながら ミヨちゃんは僕を振り返って にっこり笑った。
「うわ 見ろよ。鬼太郎。こりゃ 脈ありだぜ。」
しょうこりもなく指の間から這い出して ミヨちゃんを覗いていた親父が うわずった声でささやいた。
「素敵よね。こんな福袋初めて。幸せの玉手箱 ですって。なにが入っているのかしら?」
「あ うん・・楽しみだね」
「なに ぼわ~~んとしてんだよ。しっかりしろよ 鬼太郎。」
目玉親父のつっこみなんか もう僕の耳には入らなかった。
ミヨちゃんと同じクラスになって もう2年。
もともと口下手な僕だ。
こんなに間近に こんなにたくさんのことを話したのは初めてだった。
「・・・何が欲しいの? ミヨちゃんは。」
「うーん 何かなあ。お母さんはオーブンレンジが欲しいって言ってたけど。
私はやだなあ。それにそんなの持ち帰れないじゃない。あなたは?」
「僕は パソコンかな」
思わず口をついてでまかせが出る。さっきのさっきまで プレステが欲しいって思ってたのに。
目玉親父が ポケットの中で笑いをこらえているのがわかる。
本当にやな奴だ。
「へえ すごい。 私は本当はね 犬が欲しいんだ。でもさ 福袋じゃくれないよねえ。」
ミヨちゃんだったら 白いポメラニアンが似合うかもしれない。
僕は 白いコートのミヨちゃんが白いポメラニアンを抱いているところを想像したけど
そしてそれはとても素敵だと思ったのだけど
なんだかちょっと恥ずかしくなって そのことを言うのをやめた。
このまま朝が来なければいいのに。
僕の願いをよそに 空は少しづつ白み始めた。
そしてとうとう奇跡の夜は明けて いつもと同じ白々とした でも暦の上ではちょっとだけ特別な 朝が来た。
いつの間にか親父は 規則正しいいびきをかいて ポケットの中で寝入っているようだった。
「言うの忘れてたけど あけましておめでと。」
「あ そうだった。おめでと。」
今年初めてのおめでとを 僕たちは小さく口にして それからちょっと照れて 足元の雪を蹴飛ばした。
整理券が配られ始めた。
限定100枚。
何が入っているかわからないけれど 未来を変える幸せの玉手箱。
僕たちはどきどきしながら 整理券を待った。
そして・・・なんてことだろう。
整理券はちょうど僕と彼女の間で 終わってしまったのだ。
さっきまで 僕たちの間に流れていた ほかほかした空気は たった一枚の紙切れのせいで
気まずい空気に変わってしまった。
彼女より後ろに並んでいた人たちが ぶつぶつ文句を言いながら 帰途につき始め
3日をともに過ごした列が 彼女の後ろで崩れていく。
「えっと・・・・」
「あ よかったね。 あの・・・何が入っていたか教えてね。」
「あ いや・・・あの これあげるよ。・・・あ 僕あんまし欲しくなかったし・・。」
「え でも 3日も並んだんだよ」
「いやいや 親父がさ 並んでみようなんて言うからさ。 ほら 物珍しさ。」
「あっ そう そう 私もそうなんだ。別にそんなに欲しかったわけじゃないの。ふふ。じゃ。」
「あ 待って。 じゃさ 二人で分けようよ。 限定なんだしさ。 いろいろ入ってるんじゃないのかな。」
「でも・・」
「いいのいいの。そうしようよ。色々入っているならそれぞれ好きなものとったらいいじゃん。」
「そう?いいのかなあ。」
「もちろん。ね。そうしようよ。」
咄嗟に口をついて出たとはいえ 素敵な思いつきに僕はすっかり うきうきしてしまった。
まだ戸惑いを隠せない彼女とは正反対に 僕は自分でもびっくりするくらいに饒舌になって それから開店までの間 一人で話し続けた。
彼女は整理券がないことがやっぱり気になるのか うん とか へえ とか相槌を打つだけで
小さなブーツの先で 足元の雪に 渦巻きを描いていた。
僕の冗談に やっと彼女が小さな笑いをもらすようになったころ 開店の合図があった。
ざわざわと列が動き始め 再び表情を硬くしたミヨちゃんの肩を 僕はぽんと叩き
それから ミヨちゃんに触れたのがそれが初めてであることに気がついて
その手をあわててポケットにつっこんだ。
「お 鬼太郎。 いよいよか。」
それで 親父が目を覚ました。
「なんだ 列の最後かいな。よかったなあ 整理券もらえて。ぎりぎりかいな。」
ミヨちゃんが ぎくっと体をこわばらせる。
「うるさいなあ。ずっと寝てたんだから 寝てろよ。」
「そうは いくかいな。3日もがんばったんだ。最後の瞬間 見逃してたまるかいな。」
「わかったから 静かにしててくれよ。」
いつになく苛苛した声をあげた僕に 親父は つと 黙った。
「はい はい どうぞ。おめでとう。ご苦労様でしたね。福袋ですよ。」
はっぴを着たお兄さんがテンポよく紅白の福袋を配ってゆく。
さすが限定100個。
どの袋もかなり大きい。これならふたりで分けられそうだ。
そして僕らの番が来た。
「はい」
「???」
渡された袋は ほかの人がもらっていたのとは似ても似つかない 金色の小さな袋だった。
「ごめんねえ。手違いでさ 一個足りなかったみたいなんだよねえ。でね それ。となりのブティックのやつだから。値段はさ ここのと変わらないんだよ。ね お母さん喜ぶよ それ。」
はっぴのお兄さんは申し訳なさそうにそう言うと もう一度「はい」と僕の手に金色の袋を押し付けて くるりときびすを返すと何もなかったように
「いらしゃあい どれもお得だよー」
大声を上げて ほかのお客さんの相手をはじめてしまった。
「おい なにだまってんだよ。 鬼太郎。 文句言えよ。 男だろう。」
親父の声に促されて 一歩踏み出そうとした僕の腕を ミヨちゃんが引っ張った。
振り返ると 黙ってうつむいているミヨちゃんの顔は首まで真っ赤で 僕の腕を握る彼女の手は 汗でじっとぬれていた。
「ミヨちゃん?」
はっぴの兄さんたちの呼び声も 周りのおばさんたちの話し声も さあっといっせいに遠くなり
僕と僕の腕をしっかり握ったミヨちゃんだけが 喧騒の中にぽつんと取り残された。
僕はなぜか いても立ってもいられなくなり ミヨちゃんの手を引いて ずんずんずんずん人ごみを掻き分け 売り場の外に出た。
「大丈夫?」
「うん」
スーパーの入り口まで 口もきかずに走りぬけ やっと立ち止まった時には 僕もミヨちゃんも 肩ではあはあ息をしていた。
別に何に追われていたわけでもないのにね。
ミヨちゃんの息が整うのを待って 僕は言った。
「開けてみようよ。」
手を出しかねているミヨちゃんに 無理やり
金色の袋をもたせ その封を切った。
「あ・・」
ミヨちゃんがつぶやく。
小さな袋の中に 折りたたまれるようにして入っていたのは 大人物の水色の手袋だった。
「よかったじゃない、ミヨちゃん。お母さんにあげなよ。」
頬を赤くして手袋を見ていたミヨちゃんが 僕のその声で顔をあげた。
「ううん、約束でしょ。半分こ。」
ミヨちゃんは手袋の片方を自分の左手にはめ それからもう片方を僕に差し出した。
手袋は ミヨちゃんの手には少し大きく そして僕の手には少し窮屈だった。
「半分こできるやつで、よかったね。」
「うん」
僕が手袋をはめた手を上げると ミヨちゃんも手袋をはめた片手をあげた。
それから二つの水色の手は ぱん と暖かい音を立てた。
「おーい 鬼太郎。 福袋もうひとつあったってよー」
あ 途中で親父を落としてきたことに気づいた僕があわてて振り返る。
スーパーの人ごみを抜けて 紅白の大きな袋をかついで 親父がぴょこぴょこ駆けて来るのが見えた。
「はははは」
「ふふ」
僕たちは 手袋をはめてないほうの手を互いに繋ぎ 人通りの増え始めた表通りを歩き始めた。
「おーい 鬼太郎。 待てってばぁ・・」
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キーワードは
金色 でした。
第8区 お願いしますね。
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【ルール】
お題(共通お題)の記事にトラバしてボケて下さい。
今回は駅伝なので男女対抗の団体戦です。
たすきとして、前走者のネタの中から単語を1つチョイスして
自分のネタに組み込んで下さい。
そして、記事の最後にチョイスした単語を発表してください。
開催は1/1共通お題発表、往路1/1~4、復路1/5~8の1週間です。
往路復路で1人1TBずつ参加可能です。(同一路に1人2TBは不可)
お題記事と前走者の記事の2つにTBしてください。
お題記事は男女別なので注意して下さい。
男性チームTB記事 http://earll73.exblog.jp/1498480
女性チームTB記事 http://earll73.exblog.jp/1498483
より多くのTBがついたチームが優勝です。
優勝チームの中からMVPを発表します。
MVPには「TBボケ2ndステージ第1回のお題出題権」が贈られます。
参加条件は特にないのでどんどんトラバをしてボケまくって下さい。
お祭りなので初参加歓迎です。
※誰でも参加出来るようにテンプレを記事の最後にコピペお願いします
企画元 TBボケ駅伝実行委員会
毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/
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1月2日の食事
朝 なし
昼 もち 牛乳
夜 当直飯 (煮物 カツ ご飯 味噌汁)